フェデリコの嘆き オペラ「アルルの女」より（チレア） テノール タリアヴィーニ

フェデリコの嘆き　オペラ「アルルの女」より　フランチェスコ・チレア
Il lamento di Federico　Opera “ L’Arlesiana "　Francesco Cilea
テノール　フェルッチョ・タリアヴィーニ
Tenore Ferruccio Tagliavini
フェルッチョ・タリアヴィーニ
主に1940年代と1950年代に活躍した暖かく柔らかな声と説得力のあるフレージングを持つ典型的に優雅なテノールで、ティート・スキーパとベニャミーノ・ジーリの後を継ぎ、20世紀で最も人気のあるリリコ・レッジェーロでした。
幼少からヴァイオリンを習い始め、教会の聖歌隊で歌い、「小さなカルーソー」というニックネームで呼ばていて、両親は彼に歌のレッスンを受けるように勧めました。
24歳のとき、パルマの歌のコンクールの奨学金を得てアッリーゴ・ボーイト音楽院（パルマ音楽院）に入学しました。1938年には全国ドーポラヴォーロ事業団主催の「コンコルソ・ナツィオナーレ・ディ・カント・リリコ」（全国叙情歌コンクール）で優勝し、フィレンツェのコムナーレ劇場（フィレンツェ市立劇場）の専門コースに入所することができました。ここでは指揮者のマリオ・ラブロカの支援と助言を得て、テノールのアメデオ・バッシの指導を受けました。1938年にフィレンツェ五月音楽祭のベルカント・コンクールで第1位を獲得し、同年オペラ『ラ・ボエーム』のロドルフォ役でデビューし、大成功を収めました。1942年にミラノ・スカラ座でもオペラ『セビリアの理髪師』でデビューを果たしました。
1946年にはブエノスアイレスのテアトロ・コロンに出演し、1947年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場に登場し、1954年まで定期的に公演を行いました。1950年には、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス、1951年にはパリ・オペラ座でも歌いました。
1962年、7年ぶりにメトに戻り、ドニゼッティ『愛の妙薬』と『ラ・ボエーム』で最後の出演を果たしました。1970年、ベネヴェントのローマ劇場での『愛の妙薬』を最後にオペラから引退し、1981年、ニューヨークのカーネギー・ホールにおけるマスカーニ『友人フリッツ』のコンサート形式の公演で演奏活動を締めくくりました。
老後はカヴリアーゴの老人ホーム「ヴィラ・イルヴァ」に住み、貧困と孤独の中で過ごすことを余儀なくされ、長年にわたりルチアーノ・パヴァロッティから毎月の手当を受けていました。
以前から抱ええいた深刻な呼吸器系の問題により、レッジョ・エミリアのスパランツァーニ病院に長期入院した後、エミリアのホスピスでの生活を経て、エレガントな別荘で81歳の生涯を閉じました。